国立公園の指定基準と歯。国立公園法に基づき環境省が定める

国立公園の指定基準
日本における国立公園の選定内容(指定基準)は、環境省(旧:環境庁、さらに以前は厚生省)が定める基準に基づき行われています。
これは、国土の中で「わが国を代表する自然の風景地であり、学術的価値・景観価値・自然環境の保全価値が特に高い地域」を対象とします。
国立公園の選定基準(概要)
- 景観の美しさと代表性
日本を代表する優れた自然景観を有すること。
山岳・海岸・湖沼・火山・湿原など、独特の地形や景観美を備えていること。 - 生態系や自然環境の学術的価値
固有の動植物や、重要な生態系が維持されていること。
希少種や絶滅危惧種の生息・生育地であること。 - 面積とまとまり
景観保全や自然環境維持に必要な規模を持つこと。
一定の広がりを持ち、景観や生態系が一体として保全できること。 - 文化的・歴史的価値
人と自然のかかわり(伝統的な農林漁業・信仰・文化的景観)に価値があること。 - 利用・観光の適性
自然観光・レクリエーション利用に適していること。
道路・宿泊施設・情報提供施設などの整備が可能であること。
指定の流れ(概要)
環境省が対象地域を調査
→ 都道府県・関係市町村・住民との協議
→関係者の同意を得たうえで国立公園指定
→ 公園計画を策定し管理開始
関連事項
日本では1931年の国立公園法制定(現:自然公園法)により、1934年に最初の国立公園が誕生(瀬戸内海・雲仙・霧島)。
現在(2025年)では35か所が指定されており、国土の約5.8%を占めています。
国立公園指定日
国立公園は周囲の地域を取り込んで拡大する場合があり、あわせて名称も変更される場合があります。
その他にも国定公園から国立公園に格上げされることもあります。
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瀬戸内海国立公園 – 1934年3月16日
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雲仙天草国立公園(旧雲仙国立公園) – 1934年3月16日
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霧島錦江湾国立公園(旧霧島屋久国立公園) – 1934年3月16日
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大雪山国立公園 – 1934年12月4日
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中部山岳国立公園 – 1934年12月4日
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阿蘇くじゅう国立公園(旧阿蘇国立公園) – 1934年12月4日
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日光国立公園 – 1934年12月4日
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阿寒摩周国立公園(旧阿寒国立公園) – 1934年12月4日
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大山隠岐国立公園(旧大山国立公園) – 1936年2月1日
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富士箱根伊豆国立公園(旧富士箱根国立公園) – 1936年2月1日
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十和田八幡平国立公園(旧十和田国立公園) – 1936年2月1日
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吉野熊野国立公園 – 1936年2月1日
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伊勢志摩国立公園 – 1946年11月20日(戦後初)
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支笏洞爺国立公園 – 1949年5月16日
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上信越高原国立公園 – 1949年9月7日
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秩父多摩甲斐国立公園 – 1950年7月10日
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磐梯朝日国立公園 – 1950年9月5日
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西海国立公園 – 1955年3月16日
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白山国立公園 – 1962年11月12日(白山国定公園 – 1955年7月1日)
- 山陰海岸国立公園 – 1963年7月15日(山陰海岸国定公園 – 1955年6月20日)
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南アルプス国立公園 – 1964年6月1日
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知床国立公園 – 1964年6月1日
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足摺宇和海国立公園 – 1972年11月10日(足摺国定公園 – 1955年4月1日)
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西表石垣国立公園(旧西表国立公園) – 1972年5月15日
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小笠原国立公園 – 1972年10月16日
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利尻礼文サロベツ国立公園 – 1974年9月20日(利尻礼文国定公園 – 1965年7月10日)
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釧路湿原国立公園 – 1987年7月31日
- 尾瀬国立公園 – 2007年8月30日
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屋久島国立公園 – 2012年3月16日
- 三陸復興国立公園 – 2013年5月24日(旧陸中海岸国立公園 – 1955年5月2日)
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慶良間諸島国立公園 – 2014年3月5日
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妙高戸隠連山国立公園 – 2015年3月27日
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やんばる国立公園 – 2016年9月15日
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奄美群島国立公園 – 2017年3月7日(奄美群島国定公園 – 1974年2月15日)
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日高山脈襟裳国立公園 – 2024年6月25日(日高山脈襟裳国定公園 – 1981年10月1日)